簿記2級検定は、公的資格の中でも知名度があり、受験者数も多い人気資格です。
ただ、統一試験の合格率は平均で20%前後で低いため、しっかりと勉強しないと余裕で落ちてしまいます。
その分、転職時には有利に働きます。仕事をしながら、勉強時間も確保できると言う証明になるからです。
企業などの管理職者研修でも、簿記2級の取得を進めるくらい優位性がある資格です。
その簿記2級検定ですが、「社会人は1ヶ月で簿記2級に合格できる!?」や「1ヶ月で合格できるスケジュール!」などの記事をよく見ますが、私から言わせて頂くと
「社会人が1ヶ月とか、マジで厳しいです!」
なぜ無理なのか?
その理由と、合格までに実際にかかった時間と、勉強方法を紹介します。
社会人が独学1ヶ月で簿記2級合格は無理!?な理由
「どうせこいつが、頭悪いだけだろ。」
と思う方もいると思うので、簡単に私の学歴・取得資格を簡単に紹介します。
・東京電機大学理工学部卒業(入学時偏差値53〜55くらい)
・卒業後専門学校専攻科1年制に入学し、国家資格の臨床工学技士を取得(偏差値50前後)
・ITパスポート(偏差値45)
・基本情報技術者取得(偏差値49前後)
・簿記3級(偏差値47)
・簿記2級(偏差値58)
*偏差値は、「フォーサイト」や「資格の取り方」を参考にしています。
どうでしょうか。
卒業した大学や簿記2級以外の取得資格の偏差値を見ると、50前後です。
とても平均的な学力です。要は、頭は悪くありません(笑)
偏差値70前後の人であれば、1ヶ月で簿記2級取得は可能なのかもしれませんが、現実的に考えて働きながら1ヶ月で取得は厳しいと思います。
そもそも簿記3級という基礎があっても、300時間前後の勉強が必要と言われています。
土日に、それぞれ15時間勉強したとしても、平日1日あたり9時間勉強しなければいけません。
働きながらを考えると、独学1ヶ月間で取得は現実的ではないですよね。
実際に合格した点数です。
注意として、簿記3級が90点程度で合格した前提になります。
合格までにかかった時間
勉強開始から試験日まで、11月から4月半ばまでの5ヶ月半かかりました。
簿記2級は、商業と工業に分かれており、3級とは桁違いに覚える量が多いです。
商業から勉強し始めたのですが、最初は舐めてかかっていたので、1ヶ月間平日だけで勉強すれば終わるだろうと思っていました。その時は、平均して1.5時間ほどの勉強時間でした。
ですが、テキストを進めると有価証券、連結会計など、聞きなれない言葉や覚えなければいけない計算式など、3級とは比べ物にならないくらいの量があり、トレーニング問題も半分以上解けなかったので、年明けから勉強時間を増やし、平日は2〜2.5時間、土日は各5時間前後勉強していました。
3月半ばから試験日までは、本試験問題や予想問題を中心に解きまくりました。試験日の2週間前から土日の勉強時間を少し増やしました。
よって、
11月〜12月は約60時間
1月〜3月半ばまで約270時間
3月半から試験日まで約90時間
合計約420時間かかりました。
私の学力で、独学であれば妥当な勉強時間なのでないかと思います。
ただ、勉強期間の短縮はできたんじゃないかと思います。
残業後の疲労困憊時は、まともに勉強できないと思いやりませんでしたし、問題がまるで解けないときは、「なんでこの試験受けるんだっけ?」と、モチベーションが下がってしまった時もあったので、数日何もしないときもありました。
サボった期間が無ければもっと早く合格できたと思いますが、この反省は次に活かします!
実際にやってみて、最初はちゃんとスケジュール通りに進められると思いましたが、人間の精神は弱いもので、「明日やればいいや!」とマインドになってしまいます。
そんな時は、やらない日を設けていいと思いますが、そのまま放置しないように目標を持って勉強すれば、もっと短い時間で合格できる思います。
勉強方法
勉強方法は、主にTAC出版から出ている合格テキスト、合格トレーニング、本試験問題集、予想問題集をやりました。
流れとしては、合格テキストで1つの論点を終えるたびに、合格トレーニングで問題を解き理解を深めていきました。
テキストを進めるときはノートにまとめたりせずに、本文を読み例題や基本問題を解くだけで、合格トレーニングで本格的に問題を解き、間違ったところや理解不足なところを、メモ帳やA4のコピー紙にまとめました。
なので、インプット 3:アウトプット 7の比率で勉強を心がけました。これは、学習の効果をもっとも発揮できる比率とされています。
商業簿記から始め、1日につき1つの論点をこの流れで学習し、合格テキストと合格トレーニングをひと通り終えた後に、本試験問題集の1回分の商業分野を解いてから、工業簿記に進みました。
同じ流れで工業簿記を終え、本格的に本試験問題集12回分を解いて痛感しました。
「回によって、全く点が取れない……」
忘れてしまった部分や、苦手分野があると、商業簿記は全く点が取れない回が出てきてしまいます。しかも工業簿記も、1つ間違えたら芋づる式で他の問題も間違えてしまいます。
最初、予想問題集を解いた時、商業工業合わせて平均得点は40〜50点でした。
焦りつつも、テキストしっかり読み返す時間はないので、とにかく問題を解きまくって、間違った問題だけを復習し深掘りしていきました。
本試験問題を12回分と予想問題集9回分をやった時には、ネット試験模擬プログラムでは合格点が取れる様になりました。
結果的に合格はできましたが、「意外に忘れてしまっているな」と思いました。
まさにこれが、『エビングハウスの忘却曲線』なんです。
簡単に言うと、人間の記憶に関しての実験を行い、人は覚えたことを翌日には約7割忘れてしまい、1ヶ月後には8割忘れてしまうと言うデータを表したものです。
私が本試験問題が全く解けなかった原因は、忘却しないように復習をしなかったからです。
この忘却曲線によると、翌日と1週間後の忘却度は若干しか変わらないので、週末に1週間の復習、月末に1ヶ月間の復習を行えば、本試験問題ももっと点がとれ、復習時間も結果的には短く済んだのではないかと思いました。
まとめ
結果的に合格まで420時間かかりましたが、改善点も多くあったので、一般的に言われている300時間が最短時間なのではないかと思います。と言うより、最低300時間前後は必要といったところでしょうか。
1.インプット、アウトプットの比率は3:7。
2.エビングハウスの忘却曲線から1週間後、1ヶ月後の復習が必要。
3.マインドセットが重要!モチベーション下がったら思い切って勉強しない日を作ってリフレッシュ!
簿記2級は、持っていて損はありません。しかも、周りからの評価もあります。
文章慣れしていないと、理解するのが大変ですが、問題が解けるようにったときはとても快感ですよ!
それに、財務諸表を読める様になるので、もっと突き詰めていけば、優良な会社かどうかの判断もできる様になってきます。
資格も取れて、見識も高めることができます。
簿記2級を考えている方、勉強中の方の参考になればと思っています。
簿記2級取って、一歩前進!
なおてぃでした!
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